ヴァケラス / Vacqueyras

Vacqueyras
「石の谷」を意味する古名——南ローヌ13番目のクリュが示す、研ぎ澄まされたグルナッシュの輝き
ヴァケラスはジゴンダスとシャトーヌフ・デュ・パプの間に位置するアペラシオンで、その名はラテン語「ヴァリス・クアドレリア(石の谷)」に由来します。ワイン造りはローマ時代から行われていたとされますが、村の発展の歴史的な経緯から長らく穀倉地帯として扱われていました。1937年にコート・デュ・ローヌとして、1955年にコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュとして認定された後、1990年に南ローヌの「13番目のクリュ」として単独のAOCに昇格しました。ダンテル・ド・モンミライユの南西山麓からウーヴェーズ川の段丘へと広がる約1,400〜1,500ヘクタールの畑を持ちます。
土壌は粘土、砂、ガレ・ルーレ(丸石)、石灰岩の崩積土、赤色石灰岩など極めて多様です。標高が低くジゴンダスより温暖な傾向があり、フラットな「ガリーグ」と呼ばれる丸石地帯から高標高の砂質斜面・段丘まで幅広い地形が混在します。グルナッシュを最低50%、シラーとムールヴェードルを合計20%以上含めることが規定され、赤・白・ロゼの3色が生産されています。ル・サン・デ・カイユーはビオディナミ農法による豊かで力強いスタイルで、ラ・ブイシエールはより繊細で気品のあるスタイルで、それぞれヴァケラスの異なる魅力を示しています。
「ダイヤモンドのようなグルナッシュ」——軽快さと洗練を備えた、ジゴンダスの弟分
ヴァケラスのワインは、地元の造り手たちが「グルナッシュのダイヤモンド」と称するほどの、力強さと輝きを併せ持つ果実表現が特徴です。ジゴンダスと比べるとより軽快でしなやかな印象を持ち、フレッシュな酸ときめ細かなタンニンが共存します。長らく評価の面でジゴンダスの「弟分」とされてきましたが、近年は栽培・醸造の改善によって急速に評価を高めている、南ローヌの注目産地のひとつです。