セップ・ムスター生産者試飲会 2026/04/23

4月23日、京都の名店「MOTOÏ」にて、オーストリアの自然派ワインを牽引する生産者、セップ・ムスターの来日試飲会が開催されました。
今回はセップ本人に加え、息子のエリアス・ムスターも来日。世代をまたいだ造り手の思想を、同時に体験できる貴重な機会となりました。
息子エリアス・ムスターのワイン

今回特に注目を集めたのが、エリアスが手がける2023年ヴィンテージ。
日本での初リリースとなるこの年は、やや揮発のニュアンスを感じますがストレートな果実が印象的で、父セップのスタイルを継承しつつも、どこか軽やかさを感じさせる仕上がりでした。飲んだ印象からして間違いなく素晴らしいポテンシャルを持っており、落ち着くまで少し時間がかかると思うので数年間セラーで寝かせてみたい一本です。
セップムスターの真骨頂 熟成

最新の2022年と並び、複数のバックヴィンテージを試飲できたのも今回のハイライトの一つです。中でも2017年は群を抜く完成度。
わずかに感じられていた揮発のニュアンスはすでに落ち着き、全体は驚くほどクリーン。果実、酸、ミネラルが一体となり、まさに今が飲み頃と断言できる状態でした。
セップ自身も語っていたように、リリース直後(収穫から3〜4年)でも十分楽しめる設計ながら、本来の理想は「10年熟成」。その言葉を裏付ける、説得力のある一本でした。
試飲会で得た情報
・エチケットの違い
セミナーでは、3種類のエチケットの違いについても解説がありました。
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黄×緑ラベル:樹勢の強い若木の区画
→ 粒が大きく、ややグリーンな香りが現れやすい
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黄緑×土色ラベル:痩せた石の多い区画
→ ミネラル主体で、より引き締まった構造
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黄緑×オレンジラベル:マセラシオンを施したキュヴェ
*エアデだけは陶器の色合いとの調和から、黄緑×土色ラベルを採用
単なるデザインではなく、畑と造りの違いを視覚的に表現するのに機能しているのが印象的でした。
・なぜエアデだけ陶器なのか
特に興味深かったのが、「エアデ」の容器の話。
1年間のマセラシオンを行うため、通常よりもタンニン量が多くなるこのキュヴェは、なぜか陶器で熟成させると、より早くタンニンがまとまり飲み頃に入るとのこと。
実際にすべてのキュヴェを陶器で試した結果から導き出された“経験則”であり、
明確な理論は本人にも不明だそうです。
このあたりに、自然派ワインの面白さと奥深さが詰まっています。

・日本限定となるブランデーの情報
そして、詳細はまだ公表されていませんが、ムスターの赤ワインを原料に、日本で特別に蒸留・瓶詰めされたブランデーが、今夏リリース予定とのこと。少しこちらも試飲させていただきましたが、原酒の良さが感じられる素晴らしい出来です。こちらは諸事情で今回のみの生産で本数も900本程度となりました。

