ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ / Bienvenues-Bâtard-Montrachet
Bienvenues-Bâtard-Montrachet
「庶子よ、ようこそ」——ピュリニー側にのみ広がる、柔らかく花開くグラン・クリュ
ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェはピュリニー・モンラッシェにのみ属するグラン・クリュで、バタール・モンラッシェの北東側に隣接する約3.57ヘクタールという小さな畑です。1939年7月にAOCとして認定されました。その名「ビアンヴニュ(ようこそ)」は、ピュリニーの領主が死の床で私生児を後継者として迎え入れた際に周囲が発した「バタール・モンラッシェへようこそ」という言葉に由来するという伝説があります。クリオ・バタール・モンラッシェが認定された1939年に、シャサーニュの生産者の怒りを受けてピュリニー側にも同等のグラン・クリュを設けることになったという経緯も伝えられています。
土壌構成はバタール・モンラッシェと近いながらも、ピュリニー村に近い位置ということもあり、わずかながら個性が異なるとされています。5つのモンラッシェ・グラン・クリュの中でも特にソフトで花のニュアンスが際立つスタイルで知られており、バタールよりも豊かさが控えめで、モンラッシェよりも凝縮感は薄く、シュヴァリエより酸の緊張感は柔らかい、という微妙な立ち位置を占めています。ルフレーヴが代表的な所有者として知られています。
白い花と繊細な果実——5つのグラン・クリュ中最もエレガントで柔らかな表現
ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェのワインは、白い花や白桃、アカシア、ヘーゼルナッツのアロマに、優しくなめらかな質感が特徴です。5つのモンラッシェ・グラン・クリュの中でも最も早い段階から開きやすく、柔らかな印象を持ちながらも、石灰質土壌由来のミネラルの骨格がワインを引き締めています。バタール・モンラッシェと同じ場所に隣接しながら固有のグラン・クリュとして認定されているというその特殊な成立ちが、ブルゴーニュの格付けの複雑さを体現しています。