ボンヌ・マール / Bonnes-Mares
Bonnes-Mares
「良き母たち」の名を持つ畑——シャンボール・ミュジニーとモレ・サン・ドニが分かち合う、力強さと優美さの境界
ボンヌ・マールはシャンボール・ミュジニーとモレ・サン・ドニの二つの村にまたがるグラン・クリュで、1936年にAOCとして認定されました。約16.24ヘクタールの大部分はシャンボール・ミュジニー側に位置し、北はクロ・ド・タールと境を接します。畑名の由来には諸説あり、ある農夫が豊穣の女神三体の彫像を見つけたという伝説から「良き母たち(ボンヌ・メール)」に因むという説が伝えられています。
畑は南北に長く伸びており、土壌の変化が南北で大きく異なります。モレ・サン・ドニ側に近い北部はより力強く骨太なスタイルを、シャンボール・ミュジニー側の南部はより軽やかで優美なスタイルを示す傾向があり、ひとつの畑の中に二つの村の個性が共存しています。メゾン・ジョセフ・ドルーアンは1980年代から有機栽培、1990年代からビオディナミ農法を導入し、テロワールの精緻な表現を追求しています。ドメーヌ・ジョルジュ・ルーミエもこの畑を代表する生産者として高い評価を受けています。
フルボディとタンニン、二つの村の個性が交差する稀有な味わい
ボンヌ・マールのワインは、全体としてフルボディでタンニンしっかりとした骨格を持つことが特徴です。ミュジニーの繊細さとは対照的に、より男性的な力強さを感じさせるスタイルが多く、長期熟成によって複雑なスパイスや獣のニュアンスが現れます。同じ畑でありながら区画によって表情が変わるという特異性が、ボンヌ・マールをブルゴーニュ探求の中でも特に興味深い存在にしています。