シャトー・サン・ピエール / Château Saint-Pierre

シャトー・サン・ピエール - Wine Library

Château Saint-Pierre

最小規模のサン・ジュリアン第四級——アンリ・マルタンの執念が30年かけて再統合した、17ヘクタールの純粋なテロワール

シャトー・サン・ピエールは、ボルドーサン・ジュリアンアペラシオンに位置する1855年格付け第四級のシャトーです。17ヘクタールという第四級の中でも最も小規模なエステートのひとつですが、サン・ジュリアン中心部の最良の砂利質土壌に位置しており、その品質はしばしば格付けを超えると評されます。エステートの歴史は17世紀末にさかのぼり、後にシャトー・ベイシュヴェルやシャトー・ブラネール・デュクリュとなる土地とともに同一エステートの一部でした。1832年に「サン・ピエール・ボンタン」と「サン・ピエール・セヴェセ」という二つに分割され、格付けされた状態のまま数十年にわたって別々に所有されました。1982年、コルディエ家が所有する隣接するシャトー・タルボの運営者アンリ・マルタンが二つのエステートを再統合することに成功し、「シャトー・サン・ピエール」として単一エステートへと復活させました。現在はアンリの娘フランソワーズとその夫ジャン=ルイ・トリオーが経営を継続しています。

畑はカベルネ・ソーヴィニヨン約75%、メルロー約15%、カベルネ・フラン約10%というブレンドで、タルボのチームが醸造を担うという体制により品質の一貫性が保たれています。セカンドワインは「シャルダン・ド・ベル」として展開しています。

格付けを超えるコストパフォーマンス——カベルネ主体の力強い骨格とサン・ジュリアンのエレガンスが示す、小さな宝石の実力

サン・ピエールのワインは、凝縮した黒系果実のアロマにシダーとタバコのニュアンスが加わる力強いスタイルが特徴で、カベルネ・ソーヴィニヨンの高い比率がサン・ジュリアンらしい骨格を形成しています。小規模ゆえに生産量が少なく知名度は高くありませんが、品質に対して格付け価格を大幅に下回るコストパフォーマンスの良さが評価され、知る人ぞ知るボルドー愛好家の穴場として位置づけられています。