ドメーヌ・マクル / Domaine Macle

ドメーヌ・マクル - Wine Library

Domaine Macle

「ヴァン・ジョーヌの法王」——シャトー・シャロンの急峻な青色泥灰土の崖に1850年から根を張る、七代目が守るジュラ最高の伝統

ドメーヌ・マクル(正式名称:ドメーヌ・ジャン・マクル)は、ジュラ地方で最も権威ある産地のひとつ、シャトー・シャロン村を本拠とする家族経営のドメーヌです。イタリア系の姓「マスコリーノ(Mascolino)」を起源に持つマクル家は1850年代からシャトー・シャロンの石灰岩の断崖にブドウを植えてきた歴史を持ち、1966年にジャン・マクルが現代的なドメーヌとして正式に創設しました。1995年に七代目のロラン・マクルが経営を引き継ぎ、2020年にジャン・マクルが逝去した後は姉妹のクリステルとともにドメーヌを運営してきました。さらに2025年1月には、ニュージーランド、オレゴン、ムルソーでの醸造経験を経たロランの娘カルメンがドメーヌに加わり、七代にわたる物語の新たな章が始まっています。ベタン&ドソーヴ誌2019年版のトップ100生産者に選ばれた際に「ヴァン・ジョーヌの法王(Le Pape du Vin Jaune)」と称されたこのドメーヌは、ジュラで最も権威あるヴァン・ジョーヌの造り手として世界中のワイン愛好家から敬われています。

畑は計約12ヘクタールで、シャトー・シャロンAOCに4ヘクタールのサヴァニャン、コート・デュ・ジュラAOCに8ヘクタールのシャルドネが植えられています。シャトー・シャロンの畑は最大50%という驚異的な急傾斜の青色泥灰土(マルヌ・ブルー)の斜面に位置し、村のどの生産者も嫌うほどの急峻な場所にあえて畑を構えてきたマクル家の決意を示しています。栽培は1966年から事実上のビオロジックを実践しており、2015年に有機農法への転換を開始、2020年ヴィンテージをもって正式な有機農業認証を取得しました。醸造はすべて天然酵母のみを使用し、硫黄無添加の方針を貫いています。なお、シャトー・シャロンのヴァン・ジョーヌは毎年自動的に生産されるわけではなく、生産者委員会が畑を訪問しブドウの品質を評価したうえで生産の可否を決定する仕組みとなっています。

3本のキュヴェが示す産地の哲学——6年3ヶ月のヴォワル熟成と16世紀のセラーが育む、100年の長命を持つヴァン・ジョーヌ

ドメーヌのラインナップは3つのキュヴェで構成されています。「コート・デュ・ジュラ・トラディション」はシャルドネ80%・サヴァニャン20%を共発酵させ、約3年間産膜酵母(ヴォワル)のもとで酸化的に熟成させた「小さなヴァン・ジョーヌ」とも評されるキュヴェで、年間約6,000本という少量生産です。「シャトー・シャロン」はサヴァニャン100%から造られ、最低6年3ヶ月(ドメーヌでは7〜7.5年)を産膜酵母のもとで過ごした後、専用の62センチリットルのクラヴランボトルに詰められます。補酒(ウイヤージュ)を一切行わない伝統的なスタイルで、クルミやモレル茸のアロマが特徴的です。優れたヴィンテージでは100年以上の長期熟成に耐えるとされ、「10年以上の瓶内熟成後に最良の状態に達する」とドメーヌ自身が説明しています。16世紀に建造されたセラーには樽がずらりと並び、それぞれの樽の下面には「スパウト(小さな蛇口)」が取り付けられ、ヴォワルを乱すことなく試飲できる仕組みが整えられています。インターネット上に自社サイトを持たないことで知られ、その寡黙さとワインの品質の高さがドメーヌの伝説をさらに深めています。