ソーミュール / Saumur

Saumur

6世紀から葡萄が根付くロワール屈指の古地——チュフォー凝灰岩が育むシュナン・ブランの白と、スパークリングが産の半数を占める多面的アペラシオン

ソーミュールは、ロワール川中流域に位置するアペラシオンです。6世紀には既に葡萄栽培の記録が残り、1936年にAOCとして正式認定された歴史ある産地です。約70のコミューンにまたがるおよそ2,300haの畑は、チュフォー(凝灰岩)と呼ばれる多孔質の石灰岩土壌に覆われており、この岩盤がソーミュールを代表するワインの骨格とミネラルを生み出しています。チュフォーは熱を蓄え昼夜の温度差をやわらげる保温効果にも優れており、ソーミュールの温和な大陸性気候とあいまって、ブドウのゆっくりとした成熟を支えています。

ソーミュール・アペラシオンは白・赤・ロゼ・スパークリングと多岐にわたり、生産量のおよそ半数を泡ものが占めるのが大きな特徴です。スパークリングは「ソーミュール・ムスー」として伝統方式(メトード・トラディシオネル)で造られ、シュナン・ブランを主体にシャルドネ・カベルネ・フランもブレンドに加わります。スティルワインでは、白の品種としてシュナン・ブランが主役を担い、赤はカベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンが使われます。ソーミュールには7つのサブ・アペラシオンが存在し、完熟したシュナン・ブランから造る甘口白「コトー・ド・ソーミュール」から、カベルネ・フラン100%の赤専門AOC「ソーミュール・シャンピニー」まで、多彩なスタイルが揃います。

ドメーヌ・ギベルトーとアルノー・ランベール——チュフォー土壌の白銀ミネラルを自然派の哲学で引き出す、ソーミュール・ブランの二つの頂点

ソーミュール・ブランを語るうえで外せない造り手が、ドメーヌ・ギベルトーとドメーヌ・アルノー・ランベールです。ロマン・ギベルトーは、チュフォー台地の「ブレゼ」を中心とする区画から、野生酵母・無清澄・SO₂極少の自然派スタイルでシュナン・ブランを醸します。そのミネラルの純粋さと長熟ポテンシャルは世界的な評価を受けており、「ロワールの白の最高峰の一つ」と称されることもあります。一方のアルノー・ランベールは、2008年に父のドメーヌから独立。「レ・ペリエール」「クロ・ド・ミディ」など、区画ごとのキャラクターを丁寧に表現したソーミュール・ブランで、デキャンター誌など国際メディアから高い評価を集めています。

土壌のチュフォーは、古くから洞窟住居や城の建材としても使われてきた素材で、現在も多くの生産者がこの岩盤を掘り抜いたカーヴでワインを熟成させています。チュフォーが持つ天然の断熱性・保湿性は、一定温度での長期熟成を可能にし、シュナン・ブランが時間をかけて発揮するハチミツ・蜜蝋・シレックスといった複雑な香りの発展を促します。隣接するソーミュール・シャンピニーの豊満なカベルネ・フランと並んで、ソーミュールの白はロワールが世界に誇る個性の一つです。

メタディスクリプション:ロワール中流域のソーミュールは1936年AOC認定の歴史ある産地。チュフォー凝灰岩土壌でシュナン・ブランの白、カベルネ・フランの赤、伝統方式スパークリングを生産。ギベルトー、アルノー・ランベールら自然派の造り手が世界的評価を受けるロワール屈指のアペラシオンです。