Thierry Allemand

神格化されつつある特筆すべきコルナスの名手

ローヌだけでなくフランス全土で、年ごとにその存在と手腕が神格化されつつある特筆すべきトップ生産者ティエリー・アルマンは、コルナスを拠点に1982年、わずか300本ほどの初ヴィンテージからスタートしました。当主ティエリー・アルマンはコルナス生まれですが、生家は農業とは無縁。地元の蔵元で経験を積んだ後、ゼロからドメーヌを興しました。当時から、畑では農薬や除草剤を排したビオロジック栽培を実施。醸造は自然酵母のみで、アルコール発酵時にはオークの古樽を多用。昔ながらの木製垂直式プレス機を使い、原則として醸造時には亜硫酸無添加。

全３種のコルナスは、いずれも濃厚なばかりの北ローヌ産のシラーのイメージを覆すものに仕上がります。豊かな果実味の中に堂々とした骨格があり、貴族的ですらある洗練された味わい。タンニンも柔らかく、口当たりも驚くほど滑らかかつフレッシュ。孤高の輝きを放つワインは偉大さのみならず、造り手の誠実さと“魂の深さ”を感じさせます。現在、自社畑は3.4ha,平均年産12,000本前後と徐々に拡大を続けつつもまだ小規模な生産に留まっています。