トマ・コラルド / Thomas-Collardot

Thomas-Collardot

2015年初ヴィンテージの新星が示す、ピュリニー・モンラッシェ2.5ヘクタールの「1区画1キュヴェ」の哲学——三代目ジャクリーヌとマチューが守る、コッシュ=デュリが示した畑の隣人

ドメーヌ・トマ・コラルドは、ピュリニー・モンラッシェ村を本拠とする2.5ヘクタールの小さな家族経営ドメーヌです。家族の歴史は1900年代初頭に遡りますが、父ピエール・トマが1992年を最後にブドウ栽培を休止。三代目となるジャクリーヌ・コラルドがボーヌのCFPPAで醸造を学び直し、2010年にドメーヌを引き継いで2015年に「トマ・コラルド」名義の最初のヴィンテージをリリースしました。現在はジャクリーヌの息子マチューとともに、英国・香港・日本・北欧など世界各地への輸出が急速に広がっており、「ピュリニー・シーンへのエキサイティングな新着(exciting new arrival on the Puligny scene)」と評されています。

ドメーヌ最大の特徴は、ほとんどのドメーヌがピュリニー・モンラッシェの村名格をひとつにまとめる中で、区画ごとに個別収穫・個別醸造を行い、なんと7つもの村名格ピュリニー・モンラッシェを別々にリリースするという徹底した区画別アプローチにあります。「我々のワインの品質の大部分は畑そのものに起因する」という信念のもと、レ・ウーリエール、オー・ポーピヨ、レ・アンセニエール、デリエール・ラ・ヴェル、ラ・プランテ・デ・シャンなどを個別キュヴェとして展開。2019年には試験的に複数区画をアッサンブラージュした「レ・クリマ」キュヴェも誕生しました。中でも注目されるのが「レ・アンセニエール」で、ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェの真下に位置し、コッシュ=デュリが取得して以来「村名格の中で最良」との評判を確立したこの区画をドメーヌは0.127ヘクタールという極少量所有しています。

2つのプルミエ・クリュと7つの村名格——「2冬の樽熟成」が示す、ピュリニーらしいミネラルと石のクラシックなスタイル

ラインナップの頂点には2つのプルミエ・クリュが立ちます。「フォラティエール」(ドメーヌが0.127ヘクタール所有)と「アモー・ド・ブラニー」で、後者はムルソーとピュリニーをまたぐ高標高の森に囲まれた知る人ぞ知るプルミエ・クリュです。ピュリニー・モンラッシェ村は地下水位が高いため地下セラーを持てない土地柄ですが、コラルドは地上セラーで2冬間オーク樽熟成を行い、その後3ヶ月ステンレスタンクで澱引きしてから春に瓶詰めするという丁寧なスタイルを貫いています。有機農法への転換を進めており(現在転換中)、醸造は天然酵母による発酵を基本とします。ウィンホグのダニエル・ハーマンが「2018年に最も好きな発見のひとつ」と評し、5〜10年の中期熟成を推奨するこのドメーヌのワインは、ミネラルと石の風味が際立つクラシックなピュリニー・スタイルとして、コレクターとレストランの両方から急速に注目を集めています。