【テイスティング記録】鯖寿しとワインのペアリングを考えるテイスティング会を開催いたしました。
3月5日に弊社事務所で開催しましたワイン勉強会は、いかにもワインと合わすのが難しそうな鯖寿しに、どのようなワインが合わせられるのか、がテーマでした。
ワインと合わす鯖寿しは京都の名門いず重さんのものをいただきました。
肉厚で脂の乗った良質な鯖を使っており、昆布の旨みと酢米の酸味がなんとも「旨い」鯖寿しでした。幸いな事にご招待したメンバーも、美食家が多い中気に入ってもらえたみたいです。

*引用元:いず重「https://gion-izuju.com/」
とはいえ、鯖寿しと合わすのであれば日本酒などが合いそうなもので、ワインのマリアージュは想像に難いのではないでしょうか。実際に試してみてもやはりどんなワインでも合う、というような素材では有りませんでした。
ワインのラインナップ(左から)
- 2020 Scharzhofberger Riesling / Van Volxem
- 2019 Naked Rose / Heinrich
- Terroir & Sens Grand Cru Perpetual Reserve Extra Brut Blanc de Blnacs / Penet Chardonnet
- 2008 Chardonnay / Claudy Bay
- 2015 Finger Lakes Pinot Noir / Element Winery
- 2021 La Vizcaina Las Gundinas / Raul Perez
- 2016 Mondo Nouvo / Morella
- 2017 Schlossberg Riesling / Kirrenbourg
- 2018 Schlossberg Gewurztraminer / Kirrenbourg
- 2018 Terroir S Gewurztraminer / Kirrenbourg
- 2019 Pouilly Fuisse Sur la Roche / Philippe Guyonnet
- 2020 Pouilly Fuisse / Philippe Guyonnet
- 2009 Coline Candice / Penet Chardonnet
- 1986 Vin Jaune / Sylvain et Luc Boilley

相性が良かったものは1番のリースリング、3番のブラン・ド・ブラン、12番のピュイィ・フュイッセ、そして意外にも7番のプリミティーヴォ、そして14番のヴァン・ジョーヌにも票が入りました。
・2020 Scharzhofberger Riesling / Van Volxem
相性の良さはやはり生臭さが出るか否かに最も重きが置かれ、やはり寿司との相性の良さでお馴染みのリースリングが無難に心地いいマリアージュを見せました。塩っけの強い鯖寿しがワインの甘みを引き出しており、酸のレベルも合った非常に一貫性のあるペアリング でした。
・Terroir & Sens Grand Cru Perpetual Reserve Extra Brut Blanc de Blancs / Penet Chardonnet
そしてこちらもお馴染みの合わせ方ですが、シャンパーニュは間違いありません。特にプネ・シャルドネのブラン・ド ・ブランはドサージュが5g/Lのため鯖寿しの甘さに負けずワインが薄っぺらい印象にならず、さらにノンマロラクティックのため切れ込むような鋭い酸を持っていますが、こちらも寿司酢にマッチ。お互いの要素を相乗効果で高めている印象がありました。が、余韻にわずかに生臭さが目立ちました。ブリオッシュ香とうまく交わらず浮いた印象が残りました。
・2020 Pouilly Fuisse / Philippe Guyonnet
12番のピュイィ・フュイッセは抜栓直後だったため還元のニュアンスが感じられましたが、それが意外にも鯖寿しのすこしツンッとした香りと相性が良く感じられ、ミネラル感のあるワインの味わいも鯖と非常に心地よくマッチングしました。ただ、余韻にワインのアルコール感が残ってしまいます。
・2016 Mondo Nouvo / Morella
赤ワインと鯖寿しの食べ合わせを想像するとあまり合いそうなイメージは出来ませんでしたが、生臭さは思ったほどは出ず、予想以上にうまく合わせられました。香りはプリミティーヴォの中ではかなりエレガントで、ジャミーなニュアンスがないため果実優勢にもならず鯖の風味とも喧嘩をしませんでした。それどころかワインのヨードのニュアンスが昆布の香りと非常にマッチしており、この会のワインの中で香りの点だけで見ると最も相性が良かったと言えるほどです。
比較的凝縮感のあるフルボディなワインでしたが、うまく果実の甘さが制限されており引き締まったエレガントな印象で、ややワインの風味が優勢にはなるものの鯖寿しの存在感を残しつつ共存しました。ただやはり余韻には残ったタンニンに生臭さが少し残りましたが、それでも想像したほどのミスマッチとはなりませんでした。
・1986 Vin Jaune / Sylvain et Luc Boilley
最後にヴァン ・ジョーヌとのペアリングでは特徴的なヴァン ・ジョーヌの熟成香は昆布とかなりうまくマッチングしました。ややクセがある組合わせですが面白いです。
味わいはヴァン・ジョーヌの風味が強すぎて鯖寿しの良さを出しきれていない印象が強く、また余韻に急に生臭さが目立ってしまいました。ためしに昆布だけを食べてヴァン・ジョーヌを飲んでみたところ口の中でお互の旨味が弾け、非常にいい組み合わせとなりました。
予想では相性がいいと思っていた2番のオーストリアのロゼは木苺のような鉄っぽいニュアンスが浮いてしまい、また硬質なテクスチャーが寿司米のネットリとした食感と合わず、お互いの良さをいかせていませんでした。
今回のペアリングのポイントをまとめると
ポイント
① 鯖寿しの味の構成を理解する:しめ鯖の塩味、酢飯の酸味と甘みに焦点を置き合わせていくこと
②生臭さをいかに出さずに合わせるか
③赤ワインの場合は果実味とタンニンが強すぎないこと
やはり実際に試してみないと分からない部分が多く、改めてテイスティングの重要性を感じました。Wine Libraryでは日々テイスティングでワインを選定していますが、今後は料理との合わせ方などのも随時ご紹介していければと思います!
また、「〇〇と合うワインを捜して欲しい」「このワインと合う料理を見つけて欲しい」など御意見があれば是非教えてください。今後のワイン 勉強会のテーマとなるかもしれません。