フリウラーノ / Friulano

Friulano
名前を変えても変わらぬ魂——フリウリの土に根付いた、北東イタリアの白ブドウ品種
フリウラーノは、イタリア北東部・フリウリを代表する白ブドウ品種です。フランス原産のソーヴィニョナッセ(ソーヴィニヨン・ヴェール)がルーツとされ、19世紀半ばにフリウリへ伝わったと考えられています。長らく「トカイ・フリウラーノ」と呼ばれていましたが、ハンガリーの貴腐ワイン「トカイ」との名称混同を避けるため、2007年のEU裁定により「フリウラーノ」という名称に統一されました。コッリオやコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリといったDOC地区で特に高い評価を受けており、隣接するスロヴェニアのゴリシュカ・ブルダでも栽培されています。
フリウラーノは多産な品種で、品質を高めるためには収量管理が特に重要とされます。泥灰土と砂岩質を含むフリウリの丘陵地が最適な栽培環境を提供し、適切な収量制限と最適な熟度での収穫によって、この品種本来の個性が引き出されます。葡萄の見た目はソーヴィニヨン・ブランに似ていますが、DNA解析上は両者に直接的な関連はないとされています。
アーモンドと白い花、フリウリの土壌が刻むミネラル——個性豊かでありながら親しみやすい白ワイン
フリウラーノのワインは、白い花や柑橘、洋梨や白桃のアロマに、特徴的なアーモンドのニュアンスが余韻に残る、フリウリの白ワインらしい個性を持ちます。ソーヴィニヨン・ブランのようなハーブの鋭さよりも、ふくよかでミネラル感のある質感が特徴的です。ステンレスタンクでの低温発酵によってフレッシュな果実表現を保つスタイルが主流ですが、軽い樽熟成や澱との接触によって複雑さを加える造り手も存在します。シンプルな日常の白ワインとしても、フリウリのテロワールを深く映す一本としても、フリウラーノはこの地方の食文化に深く根ざした品種です。