フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア/Friuli-Venezia-Giulia

Friuli
イタリア白ワインの最高峰——アルプスとアドリア海が交差する、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリアの個性
フリウリ(正式名称:フリウーリ・ヴェネツィア・ジューリア)は、イタリア北東部、スロヴェニアとオーストリアの国境に近い産地です。ヴェネトやトレンティーノ・アルト・アディジェとともに「トレ・ヴェネツィエ」を構成し、トスカーナやピエモンテと並びイタリアを代表するワイン産地として評価されています。ワイン造りの歴史は2000年以上に遡り、紀元前53年にユリウス・カエサルがこの地に「フォルム・ユリイ」を築いたことが地名の由来となっています。中世にはアクイレイアの総大司教の依頼を受けたベネディクト会修道士たちが農業を再興し、ロザッツォ修道院がブドウ栽培の中心地として重要な役割を果たしました。
フリウリは全体としてアルプス山脈に守られた冷涼な気候と、アドリア海からの海風の影響を受ける複合的な微気候を持ち、白ワイン生産において特に高い評価を受けています。フリウラーノやリポッラ・ジャッラといった土着品種に加え、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランといった国際品種も栽培され、両者が織り合わさることでフリウリ独自の白ワイン文化を形成しています。
コッリオとコッリ・オリエンターリ——ポンカが刻む、フリウリの白ワイン哲学
フリウリの主要産地はコッリオとコッリ・オリエンターリ・デル・フリウリに大きく分かれます。コッリオはゴリツィア県に位置し、1980〜90年代に革新的な造り手たちが手がけた「スーパーホワイト」やオレンジワインによって世界的な名声を得ました。一方コッリ・オリエンターリはウーディネ県にあり、コッリオと同様の土壌・気候を共有しながら、より赤ワインと甘口ワインの生産に重きを置く傾向があります。両産地に共通する泥灰岩と砂岩の層「ポンカ(ponca)」と呼ばれる地質が、塩味を感じさせるミネラル感とふくよかな質感を生み出し、フリウリの白ワインを特徴づけています。ピコリットやヴェルドゥッツォによる甘口ワイン、そしてレフォスコやピニョーロなどの土着赤品種も、フリウリの奥深さを物語っています。