ゲオルグ・ブロイヤー / Georg Breuer

Georg Breuer

1880年創業・父の急逝で20歳の継承——テレーザ・ブロイヤーが守り抜く、シャルタ運動の先駆者が確立したラインガウ辛口リースリングの王道

ヴァイングート・ゲオルク・ブロイヤーは、1880年にドイツ・ラインガウのリューデスハイム・アム・ラインで創業した歴史あるワイナリーです。20世紀初頭にブロイヤー家が取得し、息子のベルンハルト・ブロイヤーが1980〜90年代に「辛口テロワールリースリングの旗手」として同蔵を国際的な評価の舞台へと押し上げました。「産地固有の特性を可視化するワインを造りたい」という信念のもと、シャルタ(Charta)品質協会の共同創設者となり、ラインガウ辛口リースリングのスタイル確立を牽引。さらにラウエンタール村のモノポル畑「ノンネンベルク」を取得し、唯一無二のテロワールを手中に収めました。

2004年にベルンハルトが急逝すると、当時20歳だった娘テレーザ・ブロイヤーが経営を引き継ぎます。ガイゼンハイム大学でワインビジネスを学び、オーストラリアのクレア・ヴァレーでの研修経験も持つテレーザは、父の哲学を守りながら独自の感性を加え、現在40ヘクタール・180区画にまたがる畑を管理。リースリングが約80%を占める畑はFair N Green認証のオーガニック農法で管理されており、トップサイトでは反収わずか15〜25hl/haという厳しい収量制限を課しています。なおVDPには加盟せず、独自の地理的起源に基づく畑格付けシステムを採用するのもブロイヤー家の矜持です。

野生酵母×大樽発酵——ベルク・シュロスベルクのグローセス・ゲヴェックスが示す、急斜面スレートが生むミネラルと長熟の可能性

醸造では野生酵母による自然発酵を行い、使い込まれた大樽(フーダー)で熟成させます。「若いうちは大きな声を上げず、長く生き続けるワイン」を目指すテレーザのスタイルは、余剰な添加物を使わず、ブドウ本来のエキスと深みを最大限に引き出すアプローチです。フラッグシップは急斜面の複数区画をブレンドした「テラ・モントサ」ですが、蔵のアイコン的存在として際立つのが単一畑「リューデスハイマー・ベルク・シュロスベルク」のグローセス・ゲヴェックス。スレートと珪岩質土壌が育てるこのリースリングは、毎年異なるアーティストが手がけるラベルアートでも知られ、収集家の垂涎の的となっています。ベルク・ロットラント(黄土質)、ベルク・ローゼネック(石英質)、そしてモノポル畑ノンネンベルクを含む多彩なラインガウグラン・クリュが、ブロイヤーという一家の「産地を語るワイン」という信念を体現し続けています。