ルイ・ロデレール / Louis Roederer

Louis Roederer
1776年創業、七代続く家族経営の独立メゾン
——クリスタルボトルに宿るプレステージ・キュヴェの原点
メゾン・ルイ・ロデレールは、1776年にランスで創業したシャンパーニュ地方を代表する独立系メゾンです。大手グループの傘下に入ることなく七代にわたって家族経営を貫いており、現在はフレデリック・ルザンが指揮を執っています。モンターニュ・ド・ランス、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ、コート・デ・ブランの三大テロワールにまたがる約250ヘクタールの自社畑を持ち、420以上の区画のうちグラン・クリュ比率は70%に達します。自社畑のブドウ比率の高さはシャンパーニュの大手メゾンの中でも際立っており、テロワールの個性を直接ワインに反映させるという姿勢がメゾン全体の哲学を貫いています。
メゾンの名声を世界に知らしめたのが、1876年に誕生したキュヴェ・クリスタルです。当時ロシア皇帝アレクサンドル2世の要望に応えて毎年最良のキュヴェを特別に取り置いたことが起源で、平底の透明クリスタルボトルはその誕生時の意匠をそのまま受け継いでいます。シャンパーニュ史上初のプレステージ・キュヴェとして知られるこのワインは、1945年に一般向けに初リリースされて以降、グラン・クリュ区画のピノ・ノワールとシャルドネをブレンドし、澱とともに最低6年間熟成を経て世に出されます。
ビオディナミの最前線に立つ大手メゾン
——チーフワインメーカー、レカイヨンが追求する「農家的」な畑仕事
ルイ・ロデレールの醸造哲学を語るうえで欠かせないのが、醸造・農学双方の専門知識を持つシェフ・ド・カーヴ、ジャン=バティスト・レカイヨンの存在です。2000年代初頭からビオディナミの試験導入を開始し、試行錯誤を重ねながら転換を進めてきた結果、2024年時点で自社畑の約70%がビオディナミ認証を取得しており、大手メゾンの中でその比率は突出しています。馬による耕耘、自家製コンポストの使用、グリーンカバーの播種など、畑での作業は「ファミリー農場」と表現されるほど手仕事に近い形で運営されています。白亜土壌の区画から産まれるクリスタルはじめ、ブリュット・プルミエやブラン・ド・ブランなど各キュヴェには、徹底した畑仕事と精確なアッサンブラージュが積み重なっており、独立メゾンとしての長期的な視点がラインナップ全体に一貫した品質をもたらしています。