モンターニュ・ド・ランス / Montagne de Reims
Montagne de Reims
ピノ・ノワールが支配する森の台地——シャンパーニュ最古の栽培地が宿す、深みと骨格
モンターニュ・ド・ランスは、シャンパーニュ地方の中心都市ランスの南に広がる、標高200〜280メートルほどの台地状の丘陵地帯です。その名の通り「ランスの山」を意味し、頂部を覆う広大な森とその周囲に広がるブドウ畑が、独特の景観を形成しています。栽培の歴史は中世にまで遡り、シャンパーニュ地方でも最も古い産地のひとつとして知られています。
土壌は白亜(チョーク)層を基盤としながら、表層には砂質粘土や泥灰土が重なる複雑な構成です。丘陵の向きや標高によって日照条件が大きく異なり、北向き・東向きの斜面も多く存在します。この比較的冷涼な環境が、ブドウに十分な酸味と凝縮感をもたらします。グラン・クリュには、ブジー、ヴェルズネイ、アンボネイ、ルーヴォワ、マイィ・シャンパーニュ、ボーモン・シュル・ヴェルなど個性豊かな村が並びます。
ピノ・ノワールの本拠地が生む、力強さとエレガンスの共存
モンターニュ・ド・ランスはピノ・ノワールの栽培比率が高く、産地全体の個性を大きく規定しています。赤系果実のアロマ、しっかりとした骨格、そして熟成によって現れる複雑なニュアンスが、この産地のシャンパーニュに共通する特徴です。一方でムニエやシャルドネも栽培され、村ごとに異なるアッサンブラージュの解釈が存在します。大手メゾンから小規模なレコルタン・マニピュランまで多様な造り手が点在し、同じ産地内でも造りのスタイルは幅広い。骨太でありながら気品を失わないシャンパーニュを求めるなら、モンターニュ・ド・ランスはひとつの確かな答えを示してくれます。