ニコラ・ジャコブ / Nicolas Jacob

ニコラ・ジャコブ  - Wine Library

Nicolas Jacob

ガヌヴァの右腕を経て1ヘクタールから始めた挑戦——ジュラの「未来の偉大な造り手」が示す、エトワール村の無添加自然派の純粋表現

ドメーヌ・ニコラ・ジャコブは、ジュラ地方出身のニコラ・ジャコブが2015年に設立した、まだ若いながらも業界内外から熱い視線を集める自然派ドメーヌです。ジュラの地元農家に生まれたニコラはまず地元の有機野菜農場で働き始めましたが、やがてワインへの情熱に目覚めます。師として選んだのはジュラを代表する二人の巨匠——シャトー・シャロンの伝説的酸化熟成ワインを手がけるジャン・マクル(ドメーヌ・マクル)のもとで伝統的なジュラの酸化熟成ワインの哲学を吸収し、続いて現代ジュラ自然派の最重要人物ジャン=フランソワ・ガヌヴァのドメーヌで右腕を務め、栽培から醸造にいたるすべての工程を磨き上げました。こうして二人の師から伝統とテロワール表現の両方を学んだニコラは、2015年にエトワール村でわずか1ヘクタール超の畑を購入し、独立への道を歩み始めました。

購入した畑にはシャルドネピノ・ノワール、そして少量のサヴァニャンが植えられており、師のガヌヴァと同様に土壌の微細な違いに基づく複数のマイクロ・キュヴェ(テロワール別の少量生産)を生み出すアプローチを採用しています。醸造は天然酵母による自然発酵、亜硫酸塩(SO₂)の使用を極限まで抑えた無添加に近いスタイル、そして約2年間という長期の澱上熟成を基本としています。最初のヴィンテージは2015年産でリリースは2017年、「ラ・オー(Là-Haut)」「ラ・バ(Là-Bas)」「レ・ペリエール・サヴァニャン」「レ・ペリエール・ピノ・ノワール」という4つのキュヴェからなるラインナップで世に出ました。

「まっすぐで美しい、無添加のワイン」——1ヘクタールが数バレルで体現する、ジュラ自然派の純粋な未来

ニコラ・ジャコブのワインはフランスの自然派専門インポーターから「まっすぐで美しく、いかなる添加物も使わない」と評され、「未来の偉大な造り手(un futur grand)」と称されています。シャルドネの澱上熟成スタイルは師ガヌヴァの影響を明確に感じさせながらも、エトワール村固有のリュー・ディ(「高いところ(ラ・オー)」と「低いところ(ラ・バ)」という畑の地形を端的に表す名前)が生む個性をそのままワインに閉じ込めます。生産量は各キュヴェ数バレルという極少量であり、日本への入荷数も非常に限られています。かつてサヴァニャンのリスクの高い輸送に関して特別な注意が必要とされる産地でもあり、取り扱いの際には細心の管理が求められます。1ヘクタールという小さな出発点からジュラ自然派の新世代を代表する存在へと成長しつつある、今最も注目すべき造り手のひとりです。