プールサール / Poulsard

Poulsard

「ジュラの女王」——1386年の文献に登場する最古の品種のひとつが示す、黒い果皮から生まれる淡色ワインというジュラの逆説

プールサール(アルボワ周辺ではプルサール、プピラン村周辺ではプルサールの転訛形「プルサール」とも呼ばれるが、アルボワでは「プルサール」が正式表記)は、ジュラ地方固有の赤ブドウ品種です。1386年にロン=ル=ソーニエの文書に「ポロザール(Polozard)」として登場する記録があり、フランスで最古の記録を持つ品種のひとつとして知られています。名前の由来は地元に自生する野生のベリー「プルース(Pelousse)」からきているという説があります。かつてはジュラで最も広く栽培された品種でしたが、栽培の難しさから徐々に規模が縮小し、現在はジュラの赤品種の中でトゥルソーピノ・ノワールとともに重要な位置を占めながら、栽培面積はジュラの赤品種全体の約14%を占めています。ジュラ以外にはほとんど存在せず、この産地に深く根ざした品種として「ジュラの女王」とも称されています。

プールサールは栽培が非常に難しい品種です。早芽性があるため春霜の被害リスクが高く、薄い果皮ゆえにべと病、灰色腐敗病、うどんこ病、花ぶるい、日焼けのすべてに対して脆弱であり、栽培家に極めて高い技術と注意深い管理を要求します。低収量と栽培の難しさが高品質プールサールのプレミアム価格に直結しています。果皮は暗色でありながらフェノール(色素)含有量が極めて低いという品種固有の特性のため、長時間のマセラシオンを行っても果汁から色素がほとんど抽出されません。このため技術的には赤ワイン品種でありながら、出来上がるワインは淡いルビーからほぼロゼに近い色調を示します。クレイと泥灰土(マルヌ)の重い土壌との相性が特によく、アルボワのトリアス期の泥灰土や青色泥灰土(マルヌ・ブルー)で真価を発揮します。

淡いルビーに宿るイチゴとスパイス——黒果皮から生まれる淡色ワインという矛盾が生み出す、他に類を見ないジュラの赤の魅力

プールサールのワインは、コーラルピンクから淡いルビーという独特の色調を持ちます。イチゴ、ラズベリー、チェリーなどの赤系果実のアロマに、花のニュアンス、白胡椒、土のニュアンスが加わる繊細で芳香的なスタイルが特徴です。タンニンは極めて穏やかで軽やかな口当たりが魅力であり、しっかりとした酸がワインに骨格を与えます。サヴァニャンのヴァン・ジョーヌやシャルドネのコート・デュ・ジュラと並ぶジュラのアイコン的存在でありながら、軽やかで食事に寄り添いやすいスタイルは現代の自然派ワイン愛好家からも熱い支持を受けています。ロゼワインやクレマン・デュ・ジュラの素材にも使われ、ジャン=フランソワ・ガヌヴァやドメーヌ・マクルをはじめとするジュラの名門が丁寧に手がけるこの品種のワインは、フランス全体を見渡しても唯一無二の存在です。