NV (2022) レ・マッサル・エクストラ・ブリュット / シャンパーニュ・テリエ

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商品名(原語)
Les Massales Extra Brut
タイプ Sparkling / 750ml
産地 France / Champagne
生産者名 Champagne Tellier
生産年 NV(2022)
ぶどう品種 シャルドネ 55 %、ピノ・ムニエ 25 %、ピノ・ノワール 20 %
輸入元 Vin Amis
備考


Les Massales Extra Brut NV (2022)【年間生産量】25,000本

【畑】

ムシー、ピエリー、シャヴォ=クルクール、白亜質 60 %、フリント(火打石)40 %

【栽培・醸造】

手摘み収穫およびブドウの選別。ダイレクトプレスし、最初の果汁を選抜。12-24時間 の低温デブルバージュ。その後、果汁は樽へ。バリック、ドゥミ・ミュイ、フードルで発酵。オーク樽 で8カ月熟成。瓶内で30カ月熟成。デゴルジュマン後、4カ月。マロラクティック発酵は一部実施。清澄 なし、軽いろ過のみ。

ドサージュ:4 g/L、デゴルジュマン:2025年9月 

【コメント】Tellierにおける“ブレンドで全体像を示す軸”。単なるスタンダードではなく、ドメーヌの 設計思想を最も分かりやすく体現したキュヴェ。深みのあるローズゴールドの色合いに、きめ細かな泡 が静かに立ち上る。香りはプラムやアーモンド、ドライフラワーを思わせ、次第にパンやバターのよう な落ち着いたニュアンスが広がる。さらに時間とともに、焼きリンゴやほのかな甘い香りが重なり、熟 成による奥行きを感じさせる。口に含むと、はじめは爽やかでいきいきとした印象があり、しっかりと した酸が全体を引き締める。その後、やわらかくなめらかな質感へと移り、丸みのある味わいへと変化 していく。リンゴや洋梨を思わせる果実味に、ほのかな甘みと温かみが調和し、豊かで心地よい余韻へ とつながる。最後には焼きリンゴの風味が穏やかに長く続き、全体にバランスの取れた印象を残す。

 

区画ごと、ミレジメごとに描くピュアなテロワール表現 土地と世代の記憶が重なり、静かな輪郭を形づくる 時の積層が輪郭を与え、静かに記憶へと刻まれるシャンパーニュ

Champagne Tellier

Champagne Tellierは、エペルネ近郊ムシー村に拠点を構える家族経営のヴ ィニュロンである。小規模なドメーヌでありながら、その核にある“ドメー ヌ・デ・コナルダン”は1222年まで遡る歴史的区画であり、18世紀末にはすで に発泡性ワインが造られていたと伝えられる。中世以来、ワインとともにあ ったこの土地は、フランス革命によって一度その歴史が途絶え、分断された まま長く静かな時間を過ごしてきた。再び命が吹き込まれたのは1936年、レ イモン・ルノーダンによる取得である。彼は畑を整備し、醸造環境を整えな がらこの地を再興し、1980年にはクリストフ・テリエがその意志を継承し た。2016年には長男カンタンが参画し、Champagne Tellierとして初のミレジ メが誕生。これは単なるブランドの立ち上げではなく、ブドウ栽培中心であ った家族が自らの土地を“ワインとして語る”決断でもあった。2020年には弟 アレクサンドルも加わり、現在は複数世代が同じ場所で働く体制が整ってい る。19世紀の地下セラーと現代的な醸造設備が重なり合う環境のもと、彼ら は土地を観察し、耳を傾け、時間をかけて向き合うことを重視する。すべて のキュヴェをミレジメとし、区画ごとの個性を前提に構成されるワインは、 装飾に頼らずテロワールの本質を静かに映し出している。ミネラル・フィネス・エレガンス

区画ごとに描く、テロワールとヴィンテージの表現

Champagne Tellierのワインは畑から始まる。より正確には、畑そのものがワインの性格を規定している。ムシー村は モンターニュ・ド・ランスとコート・デ・ブランの狭間に位置し、力強さとエレガンスというシャンパーニュの二つ の要素が交差する地点にある。畑は中腹斜面を中心に5つの村に分散し、土壌の深さや石の混ざり方、日照や風通しの 違いによって、それぞれが独立したマイクロ・テロワールを形成する。彼らはその差異を均質化せず、18の区画を個別 に管理・収穫し、醸造も分けて行う。つまりワインの方向性は、すでに畑の段階で定まっている。土壌は大きく二つ に分かれる。ひとつはムシーやピエリーに見られる厚みのある表土を持つタイプで、主にピノ・ムニエが骨格とボリ ュームをもたらす。もうひとつはシャヴォやクラマンに広がる浅い石灰質土壌で、シャルドネがミネラルを軸とした 引き締まった表現を生む。平均樹齢は35年、最古は1964年植樹。すべて自社畑由来で、多くの区画にマッサル・セレク ションを採用し、効率ではなく遺伝的多様性を重視する。各区画は明確な個性を持ち、レ・コナルダンはムニエ由来 の奥行き、ラ・コート・オー・スリーズはシャルドネの直線的なミネラル、ラ・グット・ドールはピノ・ノワールの 密度と広がりを表現する。「自然は予測不可能であるが、常に調和の中にある」という信念が、その根底にある。

Champagne Tellierの醸造は、静かで、精密で、そして一貫している。そこには「区画ごとの個性をいかに損なわずに ワインへと導くか」という明確な意図がある。収穫は完熟を見極めたうえ、手摘みで行われ、ブドウは区画ごとに分 けられたままプレスへと運ばれる。6,000 kgのプレス機は、その思想を実現するための重要な設備である。圧搾は穏 やかに行われ、使用されるのは最初の澄んだ果汁のみ。果汁は不活性ガスで保護され、酸化と過度の亜硫酸添加を抑 える。続くデブルバージュは低温で12-24時間かけて行われ、酵母にとって必要な微細な澱のみを残す。こうした細部 への配慮が、後の質感に直結する。発酵はすべて木樽で行われる。量に応じてバリック、ドゥミ・ミュイ、フードル を使い分けながら、それぞれのワインに最適な環境が整えられる。ここでの目的は、樽の香りを与えることではな い。ワインが自然に落ち着き、構造を形成するための“場”として樽を用いる。発酵後は約8カ月、樽の中でゆっくりと 熟成が進む。バトナージュによってテクスチャーを整えつつ、酸化を防ぐためのウイヤージュが丁寧に行われる。清 澄は行わず、ろ過も最低限に留めることで、ワイン本来の質感が保たれる。その後、何度もテイスティングを重ねな がら、最終的な仕上げ方が決定される。区画をブレンドするのか、単一区画として残すのか。その判断は、人為的な 設計というよりも、その年のワインが持つ性質に寄り添う形で行われる。瓶詰め後、ワインは19世紀から続く地下セ ラーへと移される。温度は年間を通じて約11℃、湿度も高く、ゆっくりとした熟成に最適な環境が整っている。ここ から、最低でも30カ月に及ぶ長期の瓶内熟成が始まる。「時間は制約ではなく、むしろ品質を高めるための重要な要 素である。なかにはさらに数年を要し、完全な調和を見せるまで静かに熟成を続けるワインも存在する。 ワインが自らの個性を確立し、繊細さと複雑性を深めるために は、時間の経過に委ねることが不可欠である。忍耐と信頼こそ が、優れた熟成を支える本質である。」そうカンタンは語る。こ うして生まれるワインは、どこか“触れるような質感”を持つ。ウー ルのような柔らかさ、リネンのような張り、カシミヤのような滑 らかさ。それは単なる比喩ではなく、工程の積み重ねが生み出す 具体的な感覚である。Tellierのシャンパーニュは、華やかさを競う ものではない。静かに広がり、ゆっくりと記憶に残るワインであ る。

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