モンラッシェ / Montrachet

Montrachet
「禿げた丘」から世界最高の白ワインへ——ピュリニーとシャサーニュが分かち合う、シャルドネの頂点
モンラッシェ(発音:モン・ラシェ)はコート・ド・ボーヌのピュリニー・モンラッシェとシャサーニュ・モンラッシェの二村にまたがるグラン・クリュで、世界最高の白ワインを生む畑として広く認められています。13世紀にはベネディクト会修道院の所有地として初めて記録に登場し、「モン・ラシャ(禿げた山)」という荒涼とした土地を表す名で呼ばれていました。1728年、ブルゴーニュの歴史家アベ・アルヌーは「他のいかなる白ワインにも匹敵できない甘みと繊細さを持つ」と記し、1787年にはアメリカ初代国務長官トーマス・ジェファーソンがシャンベルタンと並ぶ最高のワインとして挙げています。1878年、両村はこの畑の名声を称えてそれぞれ「ピュリニー・モンラッシェ」「シャサーニュ・モンラッシェ」と改称しました。
畑は約8ヘクタールで、グラン・クリュの道を挟んでバタール・モンラッシェと、上方でシュヴァリエ・モンラッシェと境を接します。標高255〜270メートルの緩やかな東向き斜面に薄く堆積した石灰岩質・赤色泥灰土の土壌が、シャルドネの根を石灰岩盤まで届かせます。現在16の生産者が畑を持ち、ラギッシュ侯爵(ジョセフ・ドルーアン管理)、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ(0.68ヘクタール)、コント・ラフォン、ブシャール・ペール・エ・フィスなどが知られています。フランス革命で教会や貴族から収用された後、一部の区画は元の所有者が買い戻すという歴史も持ちます。
蜂蜜とスパイスの複雑な官能——世界の白ワイン評論家が「値段をつけられない」と言った頂点
19世紀のブルゴーニュ専門家ジュール・ラヴァル博士は「モンラッシェにはいかなる値段をつけても高すぎることはない」と記しました。ワインは黄金色に輝き、バターや焼きたてのクロワッサン、シダ植物、ドライフルーツ、スパイス、蜂蜜のアロマが複雑に絡み合います。充実したボディと骨格は滑らかで一体感があり、その官能的な深みは10〜15年の熟成を経てさらに開花します。シュヴァリエ・モンラッシェの緊張感、バタール・モンラッシェのふくよかさとは異なる、完璧なバランスの頂点としてモンラッシェは君臨しています。