| 容量 | Les Chetillons Cuvee Speciale |
|---|---|
| タイプ | Champagne / 750ml |
| 産地 | France / Champagne / Cote des Blanc / Le Mesnil Sur Oger |
| 生産者名 | Pierre Peters |
| 生産年 | 2017 |
| ぶどう品種 | Chardonnay |
| 輸入元 | WTS |
6世代にわたりコート・デ・ブランの真髄を表現する、ブラン・ド・ブランの名手
Pierre Peters
Pierre Petersは、シャンパーニュ地方コート・デ・ブランを代表するブラン・ド・ブランの名門である。欧米ではその名を知らぬ者はいないとも言われるほど高い評価を確立し、ル・メニル・シュール・オジェを拠点に、シャルドネの純粋な美しさとテロワールの精密な表現を追求してきた。
その歴史は1858年、ガスパール・ペテルス氏がブドウ栽培農家の娘と結婚し、ブドウ栽培家として歩み始めたことに始まる。1919年には3代目のカミーユ・ペテルス氏がシャンパーニュの元詰めを開始。1946年には4代目のピエール・ペテルス氏がドメーヌ名を現在の「Pierre Peters」へと変更し、Cote des Blanc屈指の生産者としての礎を築いた。
現在は、2007年より6代目のロドルフ・ペテルス氏が当主を務める。ロドルフ氏はシャンパーニュ造りだけでなく、コンサルタントとしても幅広い経験を持つ実力派であり、ピエール・ペテルスを新たな時代へ導く存在である。叔父にはヴーヴ・クリコの元セラーマスターであるジャック・ペテルス氏がおり、ブレンディングにも携わるなど、ペテルス家はシャンパーニュ界において極めて深い知見と経験を持つ一族である。
ワイナリーは、コート・デ・ブランの中でも特に名高いグラン・クリュ、Le Mesnil Sur Ogerに位置する。所有畑は約20haに及び、Le Mesnil Sur Ogerを中心に、Oger、Avize、Cramant、Sezanneなど複数の優れた区画を所有している。栽培品種は100%シャルドネ。まさにシャルドネの聖地に根差した、ブラン・ド・ブラン専門とも言える造り手である。
特に重要なのが、ル・メニル・シュール・オジェの名高いリューディー「シェティヨン」である。ピエール・ペテルスはこの優れた区画を早くから所有し、現在ではシェティヨン最大級の所有者として知られている。この畑から生まれるキュヴェは、ドメーヌの象徴的存在であり、コート・デ・ブランのグラン・クリュ・シャルドネが持つ緊張感、ミネラル、奥行きを鮮明に映し出す。
栽培では、10年以上にわたりリュット・レゾネを実践し、環境に配慮したアプローチを取っている。毎年異なる気候条件に合わせて畑仕事を調整し、健全なブドウを得ることを重視する。平均樹齢は約35年で、65年を超える古樹も存在する。古樹由来の深みと、コート・デ・ブランらしい鋭いミネラルが、ピエール・ペテルスのワインに独自の骨格を与えている。
また、ロドルフ・ペテルス氏が重視するのがマサル・セレクションである。近年一般的なクローン・セレクションではなく、代々受け継がれてきた自社畑の中から優良な株を選び、その個性を未来へ継承している。ロドルフ氏の「Chardonnayはひとつではない」という考え方の通り、ペテルス家が守ってきた多様なシャルドネの表情こそが、ワインに複雑性と奥行きをもたらしている。
醸造は、4層構造のドメーヌで行われる。最上部にブドウの受け入れとプレス場、その下に発酵場、さらに下層に熟成セラーを備え、重力を利用したグラヴィティ・フローによって果汁への負荷を抑えている。ポンプの使用を極力避けることで、ブドウ本来の繊細さと純度を守る造りが徹底されている。
収穫時には畑で厳しく果実を選別し、プレスは均一かつゆっくりと行われる。基本的にはキュヴェと一部のタイユを用い、品質の高い果汁のみを醸造に回す。発酵はリューディーごとにステンレスタンクで行われ、10〜11℃という低温で長期間進められる。スーティラージュやバトナージュを行わず、シュール・リーによって深みのあるアロマと質感を引き出している。
ピエール・ペテルスの大きな特徴のひとつが、ヴァン・ド・レゼルヴの使い方である。約700hl、すなわち生産量のおよそ半年分に相当するリザーヴワインを保有し、20ヴィンテージ以上をブレンドしている。1988年以降、良年のワインのみを継ぎ足しながら、ステンレスタンク、フードル、セメントタンクで保管されてきたこのリザーヴワインが、ノン・ヴィンテージのシャンパーニュに驚くほどの複雑性と安定感を与えている。
生み出されるシャンパーニュは、コート・デ・ブランらしい清らかな酸、精密なミネラル、引き締まった骨格、そして長い余韻を備える。単に鋭いだけではなく、果実の透明感、熟成由来の奥行き、そしてル・メニル・シュール・オジェ特有の緊張感が美しく重なる。ピエール・ペテルスのブラン・ド・ブランは、シャルドネの純度と複雑性を同時に味わえる、極めて完成度の高いシャンパーニュである。
なお、2020年11月以降にワイナリーから出荷された商品については、ラベル上の醸造形態表記がRécoltant-ManipulantからNégociant-Manipulantへ変更されている。これは品質低下を意味するものではなく、ワイナリーの体制や運営上の表記変更として理解されるべき点である。
ロドルフ・ペテルス氏は、ファミーユ・ペランとブラッド・ピット氏によるシャンパーニュ「フルール・ド・ミラヴァル」、カリフォルニアのサンタ・リタ・ヒルズでのプロジェクト「ラシーヌ」、さらにポン・デ・ザールなどにも関わり、シャンパーニュの枠を超えて高い評価を受けている。
ピエール・ペテルスは、6世代にわたりコート・デ・ブランのテロワールと向き合い続けてきた、ブラン・ド・ブランの名手である。ル・メニル・シュール・オジェを中心とする優れた畑、マサル・セレクションによる多様なシャルドネ、精密な醸造、そして長年継ぎ足されてきたリザーヴワイン。そのすべてが一体となり、繊細でありながら深く、緊張感を備えながらも豊かな、偉大なChampagneを生み出している。