【完全版】 アメリカワインの品種一覧|カベルネ・ソーヴィニヨン・ジンファンデル・ピノ・ノワール・シャルドネほか主要15品種の特徴・味わい・産地を徹底解説

【完全版】 アメリカワインの品種一覧|カベルネ・ソーヴィニヨン・ジンファンデル・ピノ・ノワール・シャルドネほか主要15品種の特徴・味わい・産地を徹底解説 - Wine Library

【完全版】
アメリカワインの品種一覧|カベルネ・ソーヴィニヨン・ジンファンデル・ピノ・ノワール・シャルドネほか主要15品種の特徴・味わい・産地を徹底解説

アメリカワインの最大の特徴は「品種名がラベルの主役」であることです。フランスワインが産地名を前面に出すのに対し、アメリカワインは「ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン」「ソノマ・コースト ピノ・ノワール」のように品種名を大きく表示します(品種表示には75%以上の使用が義務)。だからこそアメリカワインを理解する最短ルートは、品種ごとの個性を押さえることです。本記事では、アメリカワインの主要15品種を赤・白に分けて、特徴・味わい・主な産地・代表生産者を一覧で解説します。

アメリカワイン品種の3つのポイント
① 主要品種はフランス原産の国際品種( カベルネ・ソーヴィニヨン・ メルロー・ ピノ・ノワール・ シャルドネ)——1976年「パリスの審判」で フランスを破り世界的地位を確立
② ジンファンデルは「 アメリカの固有品種」と呼ばれる唯一の品種(原産はクロアチア)
③ 温暖な気候により果実味豊かで凝縮したスタイルが基本。近年は冷涼産地のエレガント路線も台頭

おすすめのアメリカワインを選ぶ前に|ラベルの「75%ルール」と品種表示の読み解き方

アメリカの連邦法(TTB規則)では、ラベルに品種名を表示する場合、その品種を75%以上使用しなければなりません(オレゴン州はピノ・ノワールなどについて90%以上と独自に厳格化)。つまり「カベルネ・ソーヴィニヨン」と書かれたナパのワインには、最大25%までメルロ・カベルネ・フラン・プティ・ヴェルドなどがブレンドされている可能性があります。逆に品種名がなく「レッド・ワイン」「プロプライエタリ・レッド」と書かれたものは、オーパス・ワンやドミナスのように75%基準に達しないボルドーブレンドであることが多く、むしろ高級ワインの証です。産地表示(AVA)についても75〜85%ルールがあり、詳細はアメリカワインの産地一覧で解説しています。

アメリカ赤ワインの主要品種9種

① カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)——ナパ・ヴァレーの王

アメリカで最も重要な赤ワイン品種であり、ナパ・ヴァレーを世界の高級ワイン産地に押し上げた品種です。カシス・ブラックベリー・ダークチョコレート・バニラ・モカの濃厚なアロマと、豊かな果実味・しっかりしたタンニン・高めのアルコール(14〜15.5%)が特徴。ボルドーと比べて果実の熟度が高く、若いうちから楽しめる「カリフォルニア・スタイル」が確立されています。1976年のパリスの審判でスタッグス・リープが1位となって以降、スクリーミング・イーグル・ハーラン・エステート・シェーファーなど「カルトワイン」と呼ばれる超高級カベルネがナパから次々と生まれました。ワシントン州のコロンビア・ヴァレーも第2の重要産地です。

主な産地:ナパ・ヴァレー/ソノマ(アレキサンダー・ヴァレー)/ワシントン(コロンビア・ヴァレー)味わい:カシス・濃厚・力強いタンニン・高アルコール合う料理:ステーキ・ラム・熟成チーズ

② ピノ・ノワール(Pinot Noir)——冷涼産地の新しい主役

ピノ・ノワールは2004年の映画『サイドウェイ』をきっかけにアメリカで人気が爆発し、現在はカベルネ・ソーヴィニヨンに次ぐ重要赤品種です。太平洋の冷たい海流と朝霧の影響を受ける冷涼産地——ソノマ・コースト、ロシアン・リヴァー・ヴァレー、サンタ・バーバラ(サンタ・リタ・ヒルズ)、そしてオレゴンのウィラメット・ヴァレー——で最高の表現を見せます。チェリー・ラズベリー・スパイスのアロマに、ブルゴーニュより明るく豊かな果実味が特徴。オレゴンは「アメリカのブルゴーニュ」と呼ばれ、ドルーアン・ルイ・ジャドなどブルゴーニュの名門も進出しています。キスラー、ウィリアムズ・セリエム、コスタ・ブラウン、ドメーヌ・ドルーアン・オレゴンなどが代表生産者です。

主な産地:ソノマ・コースト/ロシアン・リヴァー/サンタ・バーバラ/オレゴン(ウィラメット)味わい:チェリー・明るい果実・シルキー合う料理:鮭・鴨・きのこ・和食

③ ジンファンデル(Zinfandel)——アメリカを象徴する品種

ジンファンデルは「アメリカ固有の品種」と長く信じられてきましたが、DNA鑑定によりクロアチア原産(ツェリェナク・カシュテランスキ=イタリアのプリミティーヴォと同一)と判明しました。19世紀のゴールドラッシュ期にカリフォルニアで広まり、樹齢100年を超える古木(オールド・ヴァイン)が今も残ります。ブラックベリー・ラズベリージャム・黒胡椒・甘いスパイスの濃厚な果実味と高アルコール(15〜16%)が特徴で、BBQとの相性は抜群。ロダイ・ドライ・クリーク・ヴァレー・パソ・ロブレスが主産地で、リッジ・ヴィンヤーズ(ガイザーヴィル・リットン・スプリングス)、ターリー、ラヴェンズウッドが代表。淡いピンクの甘口「ホワイト・ジンファンデル」も1980年代に大流行しました。

主な産地:ロダイ/ドライ・クリーク(ソノマ)/パソ・ロブレス/ナパ味わい:ジャミー・黒胡椒・高アルコール合う料理:BBQ・スペアリブ・ハンバーガー

④ メルロ(Merlot)/⑤ カベルネ・フラン(Cabernet Franc)——ボルドーブレンドの構成品種

メルローはカベルネのブレンドパートナーであると同時に、単一品種としても親しみやすいプラム・チョコレートのまろやかな赤を生みます。1990年代にアメリカで大ブームとなり、『サイドウェイ』で揶揄されたことで一時人気が落ちましたが、ワシントン州のメルロー(レコール・ロイヤル・シティ)やナパのデュックホーン、ペトリュスのオーナーが手がけるドミナスなど、高品質メルローは健在です。カベルネ・フランはナパ・ソノマの高級ブレンドに芳香と骨格を加える脇役ですが、近年は単一品種の高評価ワインも増えています。

主な産地:ナパ/ワシントン/ソノマ味わい:メルロ=まろやか・プラム/CF=ハーブ・すみれ

⑥ シラー(Syrah)——ローヌ・レンジャーズの主役

1980年代に「ローヌ・レンジャーズ」と呼ばれる生産者グループがフランス・ローヌ品種をカリフォルニアに広め、シラー(シラーズ)はその中心品種となりました。パソ・ロブレス・サンタ・バーバラ・ソノマ・コースト、そしてワシントン州のワラ・ワラで高品質なシラー(シラーズ)が生まれ、黒胡椒・ブラックベリー・スモーク・ベーコンのアロマを持ちます。オーストラリア の「シラーズ」より引き締まった、北ローヌ的なスタイルが評価されています。サイン・クア・ノン(サンタ・バーバラ)、アルバン、カユースはパーカーポイント100点を複数獲得した代表生産者です。

主な産地:パソ・ロブレス/サンタ・バーバラ/ワラ・ワラ(WA)味わい:黒胡椒・スモーク・濃厚

⑦ プティ・シラー(Petite Sirah)/⑧ グルナッシュ・ムールヴェドル(GSMブレンド)

プティ・シラーはシラーとは別品種(デュリフ)で、カリフォルニアで独自に発展した極めて濃い色調・強いタンニン・ブルーベリーの品種。単一のほかジンファンデルのブレンドにも使われます。グルナッシュ・ムールヴェドルはシラー(シラーズ)と合わせた「GSMブレンド」としてパソ・ロブレスやサンタ・バーバラで人気で、南ローヌ・スタイルの温かみのある赤を生みます。

主な産地:パソ・ロブレス/ナパ/ロダイ味わい:プティ・シラー=極濃・強タンニン/GSM=温かみ・スパイシー

⑨ ピノ・ノワール以外の冷涼系——ガメイ・トゥルソーなど新潮流

2010年代以降、「イン・プルスート・オブ・バランス」運動に代表される低アルコール・エレガント志向の生産者が、ガメイ・トゥルソー・カリニャン・サンソーなど非主流品種を復活させています。これらは「ニュー・カリフォルニア」と呼ばれる潮流で、アメリカワインの品種の多様化を象徴しています。

アメリカ白ワインの主要品種6種

① シャルドネ(Chardonnay)——アメリカ白の絶対的主役

シャルドネはアメリカで最も栽培面積の大きい白品種であり、アメリカ 白ワインの代名詞です。1976年のパリスの審判で白部門1位となったシャトー・モンテレーナもシャルドネでした。伝統的な「カリフォルニア・シャルドネ」はフレンチオーク新樽・マロラクティック発酵・バトナージュによるバター・トースト・トロピカルフルーツのリッチなスタイルで、「バター・ボム」と呼ばれるほど濃厚。一方、2000年代以降はソノマ・コースト・サンタ・バーバラ・オレゴンの冷涼産地でミネラルと酸を活かしたブルゴーニュ的スタイルが台頭し、キスラー、オーベール、ピーター・マイケル、ラモネ・ヴィニャードなどが世界的評価を受けています。

主な産地:ソノマ(ロシアン・リヴァー・ソノマ・コースト)/ナパ(カーネロス)/サンタ・バーバラ/オレゴン味わい:リッチ型(バター・トロピカル)〜冷涼型(ミネラル・柑橘)合う料理:ロブスター・クリームソース・鶏肉

② ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)/フュメ・ブラン

1968年にロバート・モンダヴィがオーク樽熟成のソーヴィニヨン・ブランを「フュメ・ブラン」と名付けて売り出し、アメリカでの地位を確立しました。ナパ・ソノマではグレープフルーツ・メロン・ハーブの爽やかなスタイルから、樽熟成のリッチなスタイルまで幅広く造られます。近年は冷涼産地の鋭いミネラル型も増えています。

主な産地:ナパ/ソノマ/サンタ・バーバラ味わい:柑橘・メロン・ハーブ/樽熟成型はリッチ

③ リースリング(Riesling)/④ ピノ・グリ(Pinot Gris)——冷涼産地の白

リースリングはワシントン州(コロンビア・ヴァレー)とニューヨーク州(フィンガー・レイクス)で高品質なものが造られ、シャトー・サン・ミッシェルがドイツのエゴン・ミュラーと共同で造る「エロイカ」が有名です。ピノ・グリはオレゴンの第2の品種で、洋梨・リンゴの爽やかなアルザス寄りのスタイル。「ピノ・グリージョ」表記のカリフォルニア産は軽快なイタリア寄りです。

主な産地:ワシントン/ニューヨーク/オレゴン味わい:リースリング=高酸・花/ピノ・グリ=洋梨・爽やか

⑤ ヴィオニエ(Viognier)/⑥ シュナン・ブラン(Chenin Blanc)

ヴィオニエ はローヌ・レンジャーズの白の主役で、アプリコット・白桃・花の芳香豊かな白。サンタ・バーバラ・パソ・ロブレスで人気です。シュナン・ブランはかつて大量生産の品種でしたが、近年クラークスバーグやナパの古木から高品質な辛口が復活し、ニュー・カリフォルニアの注目品種となっています。

アメリカワインの品種×産地マップ

産地 赤ワイン品種 白ワイン品種 スタイル
ナパ・ヴァレー カベルネ・ソーヴィニヨン(主役)・ メルロー・ カベルネ・フラン シャルドネ・ ソーヴィニヨン・ブラン 濃厚・高級・ボルドースタイル
ソノマ ピノ・ノワール・ジンファンデル・カベルネ シャルドネ 多様。冷涼〜温暖
サンタ・バーバラ/セントラル・コースト ピノ・ノワール・ シラー(シラーズ)・ グルナッシュ シャルドネ・ ヴィオニエ 冷涼×ローヌ系
パソ・ロブレス ジンファンデル・ シラー(シラーズ)・GSM・カベルネ ヴィオニエ・ルーサンヌ 温暖・ローヌ系・濃厚
ロダイ ジンファンデル(古木) — ジンファンデルの聖地
オレゴン ピノ・ノワール(主役) ピノ・グリ・ シャルドネ 冷涼・ブルゴーニュ的
ワシントン カベルネ・ メルロー・ シラー(シラーズ) リースリング・ シャルドネ 大陸性・引き締まった果実
ニューヨーク カベルネ・フラン・ ピノ・ノワール リースリング 冷涼・東海岸

好みの味わいで選ぶおすすめのアメリカワイン

好みの味わい 品種 おすすめ産地 価格目安
濃厚・力強い赤 カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 3,000〜100,000円
エレガントな赤 ピノ・ノワール ソノマ・コースト・オレゴン 3,000〜30,000円
ジャミーでBBQ向きの赤 ジンファンデル ロダイ・ドライ・クリーク 2,000〜10,000円
スパイシーな赤 シラー(シラーズ)・GSM パソ・ロブレス・サンタ・バーバラ 3,000〜20,000円
リッチなコクの白 シャルドネ(樽熟成) ナパ・ロシアン・リヴァー 3,000〜30,000円
ミネラルの白 シャルドネ(冷涼型) ソノマ・コースト・オレゴン 4,000〜20,000円
爽やかな白 ソーヴィニヨン・ブラン・ピノ・グリ ナパ・オレゴン 2,000〜8,000円

まとめ|アメリカワイン主要品種の一覧早見表とおすすめ生産表

品種 色 位置づけ 特徴 代表生産者
カベルネ・ソーヴィニヨン 赤 最重要・ナパの王 カシス・濃厚・力強い スクリーミング・イーグル/ハーラン/スタッグス・リープ/シェーファー
ピノ・ノワール 赤 冷涼産地の主役 チェリー・シルキー キスラー/ウィリアムズ・セリエム/コスタ・ブラウン/ドルーアン・オレゴン
ジンファンデル 赤 アメリカ象徴品種 ジャミー・黒胡椒 リッジ/ターリー/ラヴェンズウッド
メルロー 赤 ブレンド&単一 まろやか・プラム デュックホーン/ドミナス/レコール
カベルネ・フラン 赤 ブレンド脇役 ハーブ・すみれ ラ・ホタ/デタート
シラー(シラーズ) 赤 ローヌ・レンジャーズ 黒胡椒・スモーク サイン・クア・ノン/アルバン/カユース
プティ・シラー 赤 カリフォルニア独自 極濃・強タンニン スタッグス・リープ/ターリー
GSM 赤 ローヌ系ブレンド 温かみ・スパイシー タブラス・クリーク/サクサム
シャルドネ 白 白の絶対的主役 バター〜ミネラル キスラー/オーベール/ピーター・マイケル/モンテレーナ
ソーヴィニヨン・ブラン 白 フュメ・ブラン 柑橘・ハーブ モンダヴィ/メリー・エドワーズ
リースリング 白 WA・NYの白 高酸・花 シャトー・サン・ミッシェル(エロイカ)
ピノ・グリ 白 オレゴン第2品種 洋梨・爽やか キング・エステート
ヴィオニエ 白 ローヌ系白 アプリコット・花 アルバン/タブラス・クリーク

アメリカワインの品種は、フランスの国際品種を温暖な気候で豊かに表現したものが主流ですが、ジンファンデルという独自の顔と、冷涼産地のエレガント路線という新しい潮流が加わり、多様性を増しています。産地の詳細はアメリカワインの産地一覧、カリフォルニアに絞った品種解説はカリフォルニアワインの品種一覧をご覧ください。

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