マジ・シャンベルタン/Mazis Chambertin

Mazis-Chambertin
ジュヴレ・シャンベルタン最北のグラン・クリュ——「小屋(マジ)」の名を持つ約9ヘクタールが示す、シャンベルタンとクロ・ド・ベーズに最も近い実力
マジ・シャンベルタンはジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュのひとつで、ジュヴレ・シャンベルタンの9つのグラン・クリュの中でも最北に位置する約9ヘクタールの畑です。「マジ(Mazis)」という名は、かつてこの区画に点在していた農作業用の小屋に由来します。リュショット・シャンベルタンの真下、グラン・クリュの道(ルート・デ・グラン・クリュ)の北端に位置し、北側と西側をシャンベルタン・クロ・ド・ベーズのグラン・クリュに囲まれた特別な立地を持ちます。ボジョシアン紀の石灰岩を基盤とした薄い表土という土壌構成はクロ・ド・ベーズと共通しており、「最良の状態のマジはシャンベルタンとクロ・ド・ベーズに最も近い品質に達する」と評されることが多い畑です。
畑は「マジ・オー(Mazis-Haut、上部)」と「マジ・バ(Mazis-Bas、下部)」の二区画に分かれており、一般的に上部がより優れた区画とされています。上部はクロ・ド・ベーズの北側境界に接し、コンブ・ド・ラヴォーからの崖錘(スクリー)が堆積した沖積錐という独特の地形を持ち、骨格としなやかさが共存するスタイルを生み出します。下部はクロ・ド・ベーズの下方に続く斜面でやや土壌が深くなり、よりふくよかな表現が現れる傾向があります。約25の所有者がいる中で、最大の区画(約1.2ヘクタール)を持つメゾン・フェヴレがマジ・オーを拠点に有機栽培のもとで最も商業的に重要な存在として位置づけられています。オスピス・ド・ボーヌ(約0.55ヘクタール)の「キュヴェ・マドレーヌ・コリニョン」は毎年11月の競売で最高値を争うロットのひとつです。ドメーヌ・アルマン・ルソー(約0.53ヘクタール)はマジ・バに区画を持ち、コンブ・ド・ラヴォーからの崖錘が積もったやや深い土壌で繊細さを際立てます。ドメーヌ・デュガ・ピィは古樹による凝縮した表現で、ジョゼフ・ロティ、アルマン=ジョフロワも評価の高い造り手です。
深い色調、豊かなタンニン、黒い果実の凝縮——シャンベルタン群の北端が示す、力強さと骨格の本質
マジ・シャンベルタンのワインは、深いルビー色と黒系果実(ブラックチェリー、ブラックベリー)の豊かなアロマに、スパイスと燻製のニュアンスが重なる力強いスタイルが特徴です。タンニンはしっかりとして骨格が充実しており、シャンベルタンほどの繊細さとは異なる、よりダイレクトな力強さが個性です。長期熟成によってタンニンが溶け込み、トリュフや革のニュアンスが現れます。ジュヴレ・シャンベルタンのグラン・クリュ群の中でシャンベルタンとクロ・ド・ベーズの次点として位置づけられながら、価格は両者より手が届きやすい場合も多く、テロワールの質に対して優れたコストパフォーマンスを示す畑として愛好家の間で高く評価されています。