トゥール・シュル・マルヌ / Tours-sur-Marne

Tours-sur-Marne

マルヌ川沿いに佇む二面性のグラン・クリュ——ピノ・ノワールとシャルドネ、それぞれに異なる格付けを持つ稀有な村

トゥール・シュル・マルヌはシャンパーニュ地方のマルヌ川沿いに位置する村で、モンターニュ・ド・ランスヴァレ・ド・ラ・マルヌの境界域にあたる独特の立地を持ちます。シャンパーニュの格付け制度において、ピノ・ノワールピノ・ムニエに対してはグラン・クリュ(100%)が与えられている一方、シャルドネプルミエ・クリュ扱いとなっており、同一村内で品種によって格付けが異なるというシャンパーニュの中でも稀有な事例として知られています。

村の周囲にはマルヌ川の影響による温暖な微気候が形成されており、ピノ・ノワールの成熟に好適な環境が整っています。土壌は白亜層を基盤としながら、川沿いの立地ゆえに粘土や砂質の堆積土が混在する複合的な構成です。この土壌と気候の組み合わせが、トゥール・シュル・マルヌのピノ・ノワールに丸みと果実の豊かさをもたらします。

川沿いの温暖な微気候が育む、丸みと複雑さを兼ねたピノ・ノワール

トゥール・シュル・マルヌのシャンパーニュは、赤系果実のふくよかなアロマとなめらかな口当たりが特徴で、モンターニュ・ド・ランスの骨格の強さよりもヴァレ・ド・ラ・マルヌの柔らかさに近い印象を持ちます。品種ごとに格付けが分かれるという制度上の特殊性は、この村のテロワールが品種ごとに異なる表情を見せることの証左でもあります。大手メゾンのアッサンブラージュ素材として重用される一方、村の個性に着目したレコルタン・マニピュランのキュヴェも存在しています。