ブルゴーニュワインのペアリング|家にあるおつまみで楽しむ実践ガイド

ブルゴーニュワインのペアリング|家にあるおつまみで楽しむ実践ガイド-Wine Library-

ブルゴーニュワインのペアリング|家にあるおつまみで楽しむ実践ガイド


ブルゴーニュワインペアリングおつまみピノ・ノワールシャルドネ

ブルゴーニュワインのペアリングというと、鴨のコンフィやブフ・ブルギニヨンといった本格的な料理を思い浮かべる方が多いはずです。でも実際に家でブルゴーニュを開けるとき、そこまで作る日はそう多くありません。

幸いなことに、ブルゴーニュワインはコンビニやスーパーで買えるおつまみとの相性が抜群に良いワインです。ピノ・ノワールの酸と繊細なタンニン、シャルドネの酸と質感は、和のつまみと驚くほど噛み合います。

この記事では、ブルゴーニュワインのペアリングを「今日の夜、家にあるもので試せる」レベルまで具体化します。ワインのタイプ別に、おつまみを名指しで挙げていきます。

ブルゴーニュワインのペアリング|3つの原則

細かい組み合わせに入る前に、ブルゴーニュワインのペアリングを貫く3つの原則を押さえてください。これさえ理解すれば、この記事に載っていないおつまみでも自分で判断できます。

原則
内容
理由
原則① 旨味と旨味を合わせる
内容出汁、きのこ、発酵食品、熟成肉と相性が良い
理由ブルゴーニュのピノ・ノワールとシャルドネは、どちらも旨味成分(グルタミン酸・アミノ酸)を豊富に含む。旨味同士は打ち消し合わず、相乗する
原則② 濃さを合わせる
内容ワインの重さと料理の濃さを揃える
理由ブルゴーニュは繊細。濃い味の料理は、ワインの香りを消してしまう
原則③ 脂は酸で切る
内容脂のあるものには、酸のしっかりしたワインを
理由ブルゴーニュは総じて酸が高い。これが脂を洗い流し、次の一口を美味しくする
ブルゴーニュが和のつまみと合う理由
原則①がすべてです。ブルゴーニュワインは、醤油・味噌・出汁・干物・発酵食品といった日本の旨味食材と、生理的なレベルで噛み合います。ボルドーの強いタンニンは和食の繊細さを潰しがちですが、ブルゴーニュのタンニンは細く、旨味を邪魔しません。

「ブルゴーニュ=フランス料理」という思い込みを外すと、ペアリングの選択肢は一気に広がります。

ブルゴーニュワインのペアリング|軽めのピノ・ノワールに合うおつまみ

対象:ブルゴーニュ・ルージュ、マルサネ、サヴィニー・レ・ボーヌ、サントネイ、マコネーのピノ・ノワール、コート・シャロネーズ

赤い果実の香りが主体で、タンニンが軽い。やや冷やして(14〜15℃)飲むと持ち味が出ます。

おつまみ
合う理由
おつまみ生ハム
合う理由塩気と熟成香がピノの赤い果実に寄り添う。定番だが確実
おつまみ鶏の唐揚げ
合う理由軽いタンニンが衣の油を切り、酸が後味をリセットする
おつまみ焼き鳥(塩)
合う理由鶏の淡白な旨味とピノの繊細さが同じ重さ。タレより塩がおすすめ
おつまみローストビーフ
合う理由赤身肉の鉄分とピノの果実が自然に合う
おつまみスモークサーモン
合う理由ロゼや軽いピノと。燻香とピノの土っぽさが共鳴する
おつまみトマトとモッツァレラ
合う理由トマトの酸がピノの酸と揃う。バジルの青い香りも合う
おつまみミックスナッツ
合う理由軽めのピノの香ばしさと。もっとも手軽な選択肢
おつまみ鴨のスモーク(市販品)
合う理由ブルゴーニュの王道ペアリングを、市販品で再現できる最短ルート

▶ マルサネのワインを見る▶ サントネイ/マランジュのワインを見る

ブルゴーニュワインのペアリング|しっかりしたピノ・ノワールに合うおつまみ

対象:ジュヴレ・シャンベルタン、ニュイ・サン・ジョルジュ、ポマール、モレ・サン・ドニ、村名〜一級クラス

黒系果実と大地の香り、緻密なタンニン。16〜17℃でしっかり香りを開かせます。

おつまみ
合う理由
おつまみ牛ステーキ(赤身)
合う理由タンニンが肉のタンパク質と結合してまろやかになる。王道
おつまみきのこのソテー(バター醤油)
合う理由ブルゴーニュ赤の腐葉土・きのこの香りと直接共鳴する。最強クラスの組み合わせ
おつまみ砂肝・レバーペースト
合う理由内臓の鉄分とピノの鉄っぽさが完全に一致する
おつまみビーフジャーキー
合う理由凝縮した肉の旨味と、しっかりしたピノの果実
おつまみハンバーグ(デミグラス)
合う理由肉汁とソースの旨味に対抗できる厚みがある
おつまみすき焼き
合う理由醤油と砂糖の甘辛が、ピノの果実の甘やかさと呼応する。日本ならではの好相性
おつまみカマンベールチーズ
合う理由白カビの旨味と、しっかりしたピノのタンニン
おつまみドライフルーツ(いちじく・プルーン)
合う理由熟した黒い果実の香りと共鳴。チーズと合わせれば完成度が上がる
きのこは「ブルゴーニュの親戚」
ピノ・ノワールの熟成香には、腐葉土・きのこ・森の下草を思わせる要素が含まれます(1-オクテン-3-オールなどの化合物が関与)。つまりきのこ料理は、ワインの香りと同じ方向を向いている。

エリンギ、しめじ、マッシュルームをバターと醤油でソテーするだけ。これがブルゴーニュ赤のペアリングで、もっとも簡単で、もっとも失敗しないおつまみです。

▶ ジュヴレ・シャンベルタンのワインを見る▶ ニュイ・サン・ジョルジュのワインを見る▶ ポマールのワインを見る

ブルゴーニュワインのペアリング|熟成したピノ・ノワールに合うおつまみ

対象:10年以上熟成した村名・一級・特級クラス

果実味が退き、なめし革、枯葉、トリュフ、紅茶といった三次香が主役になります。ここでは料理を引き算するのが鉄則です。

おつまみ
合う理由
おつまみトリュフ入りの何か(チーズ、ポテトチップス、塩)
合う理由熟成ピノの三次香と完全に同じ方向。市販のトリュフ塩をかけるだけでも劇的に変わる
おつまみドライエイジングビーフ
合う理由熟成同士。肉の熟成香とワインの熟成香が層になる
おつまみきのこのリゾット/マッシュルームのスープ
合う理由旨味と土の香りを静かに重ねる
おつまみ熟成チーズ(コンテ、ミモレット)
合う理由塩気と旨味の凝縮。ただし強すぎないものを
おつまみ鶏の白湯スープ
合う理由出汁の旨味だけを合わせる、もっとも引き算した選択
おつまみ(何も合わせない)
合う理由熟成ブルゴーニュは、それ自体が完成している。無理に何かを合わせないのも立派なペアリング

熟成ブルゴーニュに濃い味のおつまみを合わせるのは避けてください。20年かけて積み上がった繊細な香りが、一口で消えます。

ブルゴーニュワインのペアリング|シャブリ系の白に合うおつまみ

対象:シャブリ、プティ・シャブリ、樽を使わないシャルドネ、サン・ヴェラン

鋭い酸、レモン、そして貝殻・火打石のミネラル。8〜10℃でキリッと冷やします。

おつまみ
合う理由
おつまみ牡蠣
合う理由シャブリの絶対的な定番。シャブリの土壌キンメリジャンは牡蠣の化石を含む石灰質。1億5千万年前の海と、いまの海が合う
おつまみ刺身(白身・貝類)
合う理由余計な香りがない分、素材の繊細さを邪魔しない。ヒラメ、タイ、ホタテ
おつまみ寿司
合う理由酢飯の酸とシャブリの酸が同調。ガリとの相性も良い
おつまみ天ぷら(塩)
合う理由高い酸が衣の油を切る。抹茶塩を添えるとさらに良い
おつまみカルパッチョ
合う理由レモンとオリーブオイル。シャブリの柑橘と直結
おつまみ魚介のマリネ/エスカベッシュ
合う理由酸に酸を合わせる
おつまみ浅漬け・ピクルス
合う理由意外に思われるが、酸とミネラルがよく合う
おつまみ塩辛・このわた
合う理由ミネラルと磯の旨味。上級者向けだが驚くほど合う

▶ シャブリのワインを見る

ブルゴーニュワインのペアリング|樽の効いた白に合うおつまみ

対象:ムルソー、ピュリニー・モンラッシェ、シャサーニュ・モンラッシェ、コルトン・シャルルマーニュ、プイィ・フュイッセ

ナッツ、バター、ヘーゼルナッツ、蜂蜜。厚みと質感があります。10〜12℃とやや高めで、香りを開かせます。

おつまみ
合う理由
おつまみバターソテーした魚介(ホタテ、海老)
合う理由バターの乳脂肪と樽由来のバター香が直結する
おつまみクリームコロッケ/グラタン
合う理由ワインの厚みとクリームの質感が同じ重さ
おつまみ鶏の照り焼き
合う理由醤油の旨味と、シャルドネのナッツ香。和のつまみで最も合わせやすい
おつまみ卵料理(オムレツ、だし巻き卵)
合う理由卵のまろやかさとシャルドネの質感。シンプルだが完成度が高い
おつまみローストチキン
合う理由皮の香ばしさと樽香
おつまみコンテチーズ(熟成24ヶ月以上)
合う理由ナッツ香同士。ブルゴーニュ白の王道
おつまみナッツ類(アーモンド、カシューナッツ)
合う理由樽由来のナッツ香と直接共鳴。手軽さでは随一
おつまみスモークチーズ
合う理由燻香と樽香が層になる
だし巻き卵とムルソー
意外に聞こえるかもしれませんが、この組み合わせは非常に強力です。出汁の旨味・卵のまろやかさ・ほのかな甘みという3要素が、ムルソーのアミノ酸由来の旨味・バターの質感・熟した果実の甘やかさと一対一で対応します。

ブルゴーニュ白と和のつまみの相性を実感するなら、まずこれを試してみてください。

▶ ムルソーのワインを見る▶ ピュリニー・モンラッシェのワインを見る▶ シャサーニュ・モンラッシェのワインを見る

ブルゴーニュワインのペアリング|アリゴテ・クレマンに合うおつまみ

対象:ブルゴーニュ・アリゴテ、ブーズロン、クレマン・ド・ブルゴーニュ

高い酸とキレ。食前酒としても、食中酒としても機能します。

おつまみ
合う理由
おつまみポテトチップス(うすしお)
合う理由塩と油を酸と泡が切る。クレマンとの相性は反則級
おつまみフライドポテト
合う理由同上。手軽さと満足度のバランスが最高
おつまみ揚げ物全般(唐揚げ、串カツ)
合う理由高い酸が油をリセットし続ける
おつまみシェーヴルチーズ(山羊乳)
合う理由アリゴテの酸と山羊乳の酸が同調する古典的な組み合わせ
おつまみエスカルゴ/ガーリックバター料理
合う理由ブルゴーニュの郷土料理。アリゴテがもっとも合う
おつまみ枝豆・そら豆
合う理由青い香りとアリゴテの青リンゴ的なニュアンス
おつまみ生野菜スティック+アンチョビディップ
合う理由酸と塩気

ブルゴーニュワインのペアリング|コンビニで買えるおつまみ早見表

今夜すぐに試せるように、コンビニ・スーパーで入手できるおつまみだけを抜き出しました。

おつまみ
軽いピノ
重いピノ
シャブリ系
樽白
クレマン
おつまみミックスナッツ
軽いピノ◎
重いピノ○
シャブリ系△
樽白◎
クレマン○
おつまみ生ハム
軽いピノ◎
重いピノ○
シャブリ系○
樽白○
クレマン◎
おつまみサラミ
軽いピノ○
重いピノ◎
シャブリ系×
樽白△
クレマン○
おつまみカマンベール
軽いピノ○
重いピノ◎
シャブリ系△
樽白◎
クレマン○
おつまみポテトチップス(うすしお)
軽いピノ○
重いピノ△
シャブリ系◎
樽白○
クレマン◎
おつまみサラダチキン
軽いピノ◎
重いピノ△
シャブリ系◎
樽白◎
クレマン○
おつまみ焼き鳥(塩)
軽いピノ◎
重いピノ○
シャブリ系○
樽白◎
クレマン○
おつまみ焼き鳥(タレ)
軽いピノ○
重いピノ◎
シャブリ系×
樽白○
クレマン△
おつまみローストビーフ
軽いピノ◎
重いピノ◎
シャブリ系△
樽白△
クレマン○
おつまみスモークサーモン
軽いピノ◎
重いピノ△
シャブリ系◎
樽白◎
クレマン◎
おつまみ刺身(白身)
軽いピノ△
重いピノ×
シャブリ系◎
樽白○
クレマン○
おつまみだし巻き卵
軽いピノ○
重いピノ△
シャブリ系◎
樽白◎
クレマン○
おつまみきのこの惣菜
軽いピノ◎
重いピノ◎
シャブリ系○
樽白◎
クレマン○
おつまみビーフジャーキー
軽いピノ○
重いピノ◎
シャブリ系×
樽白△
クレマン△
おつまみチーズ鱈
軽いピノ○
重いピノ○
シャブリ系◎
樽白◎
クレマン◎
おつまみあたりめ
軽いピノ△
重いピノ○
シャブリ系◎
樽白○
クレマン◎

◎=非常に良い/○=良い/△=可もなく不可もなく/×=おすすめしない

ブルゴーニュに合わせにくいもの

ペアリングは「合うもの」より「合わないもの」を知るほうが実用的です。ブルゴーニュは繊細なので、以下は避けたほうが無難です。

避けたいもの
理由
代替案
避けたいもの激辛料理
理由カプサイシンがアルコールの刺激を増幅し、繊細な香りを完全に消す
代替案辛い日はビールか、残糖のある白へ
避けたいものニンニクの強い料理
理由ブルゴーニュの繊細な香りが負ける(アリゴテなら可)
代替案軽いピノより、酸の強いアリゴテやクレマン
避けたいもの甘いデザート
理由辛口ワインが酸っぱく感じられる
代替案デザートには甘口ワインを
避けたいもの青魚(サバ、イワシ)の生
理由鉄分と脂が、赤ワインと反応して生臭さを生じることがある
代替案酢締めにするか、シャブリを合わせる
避けたいもの濃厚なトマトソース
理由酸と旨味が強すぎて、ピノの繊細さを覆う
代替案イタリアのサンジョヴェーゼへ
避けたいもの強い燻製・スモーキーな料理
理由ピノの果実香が消える
代替案しっかりしたピノならある程度耐えるが、シラーのほうが適任
赤ワインと魚の「生臭さ」について
赤ワインと魚を合わせると生臭くなるのは、ワイン中の鉄分(鉄イオン)が魚の脂質を酸化させ、不快な香りを生むためと報告されています。鉄分の少ないワインならこの現象は起きにくい。

逆に言えば、白ワインや、鉄分の少ない軽やかなピノ・ノワールなら魚と合わせられます。「赤は肉、白は魚」という単純な公式の、科学的な背景です。

ブルゴーニュワインのペアリング|チーズとのペアリング

ブルゴーニュにはチーズ、と考えがちですが、実は赤ワインとチーズは相性が難しい組み合わせです。チーズの脂肪とタンパク質がタンニンと反応し、ワインの果実味を消してしまうことがあります。

ブルゴーニュの場合、白ワインのほうがチーズに合うケースが多いことを覚えておいてください。

チーズ
タイプ
合うブルゴーニュ
チーズコンテ(熟成24ヶ月以上)
タイプハード
合うブルゴーニュムルソー、シャサーニュなど樽の効いた白。ナッツ香同士で完璧に噛み合う
チーズグリュイエール
タイプハード
合うブルゴーニュ樽の効いた白
チーズカマンベール/ブリー
タイプ白カビ
合うブルゴーニュしっかりしたピノ・ノワール。または樽白
チーズシャウルス
タイプ白カビ
合うブルゴーニュブルゴーニュ地方(オーブ寄り)のチーズ。クレマンやアリゴテ
チーズエポワス
タイプウォッシュ
合うブルゴーニュブルゴーニュの郷土チーズ。強烈だが、しっかりしたピノか、地元ではマール・ド・ブルゴーニュと
チーズシェーヴル(山羊)
タイプ山羊乳
合うブルゴーニュアリゴテ、シャブリ。酸と酸で合わせる
チーズミモレット(熟成)
タイプハード
合うブルゴーニュ熟成ピノ・ノワール。カラスミのような旨味
チーズブルーチーズ
タイプ青カビ
合うブルゴーニュブルゴーニュには合わせにくい。甘口ワインのほうが適任

ペアリングから選ぶブルゴーニュワイン

最後に、「今日はこれを食べる」から逆算してワインを選ぶ表を置きます。

今日のおつまみ
選ぶべきブルゴーニュ
今日のおつまみナッツ、生ハム、チーズの盛り合わせ
選ぶべきブルゴーニュブルゴーニュ・ルージュ、マルサネ、サヴィニー・レ・ボーヌ
今日のおつまみきのこ料理、ステーキ、レバー
選ぶべきブルゴーニュジュヴレ・シャンベルタン、ニュイ・サン・ジョルジュ、ポマール
今日のおつまみ刺身、寿司、牡蠣
選ぶべきブルゴーニュシャブリ、プティ・シャブリ
今日のおつまみ天ぷら、唐揚げ、揚げ物
選ぶべきブルゴーニュクレマン・ド・ブルゴーニュ、ブルゴーニュ・アリゴテ
今日のおつまみだし巻き卵、照り焼き、クリーム系
選ぶべきブルゴーニュムルソー、プイィ・フュイッセ
今日のおつまみすき焼き、肉じゃが
選ぶべきブルゴーニュ村名クラスのピノ・ノワール
今日のおつまみ何も作らず、ワインだけ楽しむ
選ぶべきブルゴーニュ熟成した村名〜一級のピノ・ノワール

Wine Libraryでは、日常の食卓に合わせやすい価格帯から、特別な一本まで、ブルゴーニュを幅広く取り揃えています。今日のおつまみに合わせて、一本お選びください。

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